旅行業務取扱管理者

【総合旅行業務取扱管理者試験】受験区分別の合格率から傾向を分析

令和2年度の総合旅行業務取扱管理者試験の合格率は40.7%となりました。この数字は合格者数を受験者数で割ったものです。令和元年度の29.9%から10ポイント以上増加しました。試験実施団体である一般社団法人日本旅行業協会のホームページでは、受験者の受験科目に応じた合格率を見ることができます。今回はこの受験科目別合格率を分析してみたいと思います。

総合旅行業務取扱管理者試験の受験区分とは?

総合旅行業務取扱管理者試験では前年度の合格科目を免除する制度や、講習の受講による科目免除制度があります。そのため受験者が皆同じ科目を受験しているわけではありません。試験に合格するためには原則として「業法」「約款」「国内旅行実務」「海外旅行実務」それぞれで合格点を取る必要がありますが、さきほどの科目免除を受ければ当該科目を受験する必要はありません。このような受験者による受験科目の違いを受験区分と呼び、令和2年度実施の試験ではAからHの8つに分類されています。

受験区分A
業法・約款・国内旅行実務・海外旅行実務

受験区分B
業法・約款・国内旅行実務

受験区分C
業法・約款・海外旅行実務

受験区分D
業法・約款

受験区分E
約款・海外旅行実務

受験区分F
約款

受験区分G
約款・国内旅行実務・海外旅行実務

受験区分H
約款・国内旅行実務

以上の8種類となります。

受験区分別の合格率について

受験区分A(業法・約款・国内旅行実務・海外旅行実務)
令和2年度 18.5%
令和元年度 13.0%

受験区分B(業法・約款・国内旅行実務)
令和2年度 48.9%
令和元年度 27.1%

受験区分C(業法・約款・海外旅行実務)
令和2年度 9.9%
令和元年度 13.1%

受験区分D(業法・約款)
令和2年度 78.3%
令和元年度 71.9%

受験区分E(約款・海外旅行実務)
令和2年度 38.6%
令和元年度 30.4%

受験区分F(約款)
令和2年度 95.0%
令和元年度 92.7%

受験区分G(約款・国内旅行実務・海外旅行実務)
令和2年度 50.0%
令和元年度    0%

受験区分H(約款・国内旅行実務)
令和2年度    0%
令和元年度 該当者なし

令和2年度と令和元年度の合格率を比較してみるとほぼ全ての区分で、令和2年度の合格率が令和元年度の合格率よりも高くなっています。全体の合格率上昇も納得の数字です。

注目すべきは受験区分別合格率が唯一低下した受験区分C(業法・約款・海外旅行実務)です。海外旅行実務は総合旅行業務取扱管理者試験の中でも難しい科目ですが、令和2年度はその傾向が特に顕著だったようです。

一方、受験区分B(業法・約款・国内旅行実務)の合格率は非常に高くなりました。令和2年度の合格率は48.9%となっており、ほぼ2人に1人が合格した計算となります。合格率は前年度の約2倍弱となっています。

令和2年度の総合旅行業務取扱管理者試験は
国内旅行実務が易しく、海外旅行実務が難しかった
と言えそうです。

令和2年度 総合旅行業務取扱管理者試験受験区分別合格率

令和3年度試験対策について

総合旅行業務取扱管理者試験を突破するためには「業法」「約款」「国内旅行実務」「海外旅行実務」の4科目にすべてに合格、あるいは免除を受けなければなりません。

①「業法」「約款」は比較的簡単
②「国内旅行実務」「海外旅行実務」が難しく、全体の合否を分ける
③「国内旅行実務」「海外旅行実務」を比較すると「海外旅行実務」が難しい

この傾向は総じて一貫しています。令和2年度は全体として合格率が上昇したものの、特に③の傾向が強い結果となりました。

総合旅行業務取扱管理者試験の対策としては「業法」「約款」をなるべく短時間・少ない労力で突破し、いかに「国内旅行実務」「海外旅行実務」に注力できるかが重要となります。

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