総合旅行業務取扱管理者は役に立たない?実際に取得した私が感じた価値とリアルな評価

総合旅行業務取扱管理者は、旅行業界で必要とされる国家資格です。

しかし、

  • 総合旅行業務取扱管理者は本当に意味があるのか
  • 役に立たないのではないか
  • 取得する価値はあるのか

と疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、総合旅行業務取扱管理者は旅行業界を目指す人には非常に価値のある資格です。また、旅行業界で働く予定がなくても旅行や観光の分野に関心がある方にとっては、勉強そのものが面白い資格でもあります。

一方で、旅行業界で働く予定がない人にとっては、勉強量の割に活用機会が少ないと感じられる資格であり、旅行そのものに興味がない方にとっては試験対策も困難な資格です。

私は実際に総合旅行業務取扱管理者試験に合格しましたが、旅行業界とは関係のない仕事をしており、過去にも旅行業界に携わったことはありません。そのため、資格を直接活用しているわけではありません。

それでも、総合旅行業務取扱管理者資格を取得して良かったと思っています。

この記事では、旅行業界で働いていないのに総合旅行業務取扱管理者資格を取得した者として感じたメリット・デメリットや、資格のリアルな価値について率直にお伝えします。

総合旅行業務取扱管理者とは

総合旅行業務取扱管理者は、旅行業法に基づく国家資格です。旅行業者は旅行商品を企画・販売したり、旅行商品を適切に管理するために、必要な知識をもった有資格者を選任することが義務付けられています。その資格が旅行業務取扱管理者であり、旅行業界では重要な位置付けとなっています。

特に総合旅行業務取扱管理者は国内旅行だけでなく、海外旅行も取り扱うことができるため、国内旅行業務取扱管理者よりも上位資格として扱われています。

旅行業者には一定数の旅行業務取扱管理者を配置する義務があるため、この資格を保有していると旅行会社への就職や転職に有利になることもあります。

総合旅行業務取扱管理者は意味がないと言われる3つの理由

しかし、インターネット上では「意味がない」「役に立たない」という資格という意見も見かけます。その理由を見ていきましょう。

旅行業界以外では使う機会が少ない

旅行業務取扱管理者は専門性の高い内容で、旅行業界に特化した資格と言えます。
そのため、日商簿記やTOEIC、各種パソコン資格のように幅広い業界で評価される資格ではなく、基本的には旅行業界向けの資格です。したがって、旅行会社などに勤務しない場合は、資格を活かせる場面が限られてしまいます。

資格を持っているだけでは大きな優位とは言い切れない

総合旅行業務取扱管理者は国家資格ではありますが、資格保有者しかできない業務がそれほど多いわけではありません。
法律によって一定数の有資格者配置が義務付けられていますが、旅行業者として必要人数を確保できていれば足りるため、資格を持っているだけでは優位とならない場合もあります。資格よりも実務経験やコミュニケーション能力などが優先されるケースもあるでしょう。

勉強量の割に収入アップにつながりにくい

総合旅行業務取扱管理者は決して簡単な試験ではなく、法律、約款、国内旅行実務、海外旅行実務など幅広い学習が必要で、合格には十分な準備が必要です。
しかし、旅行会社であっても資格手当などがなく、資格取得に対する直接の見返りがなかったり、あってもごくわずかという例もあるようです。

総合旅行業務取扱管理者の難易度は高い

総合旅行業務取扱管理者は旅行系資格の中でも難易度が高い部類に入ります。
4科目すべて受験する場合の合格率はおおむね10〜20%台で推移しており、直近5年間だと10%前後と低めになっています。合格には十分な学習時間の確保が必要です。

特に難しいと言われる科目は以下の2つです。

  • 海外旅行実務
  • 国内旅行実務

単純な暗記だけでは対応ができず、ルールを理解した上で、問題に対処する能力が求められます。

実際に取得して良かったこと

ここからは私自身が感じたメリットを紹介します。

旅行に関する知識が大幅に増えた

資格取得のために学習する過程で、以下のような幅広い知識を身につけることができました。

  • 世界の観光地理
  • 国内の観光地理
  • 国際航空運賃
  • JRなどの運賃・約款に関する知識
  • パスポート・出入国に関する知識

旅行好きの方や、旅行に関心のある方であれば、勉強そのものを楽しめる資格だと思います。観光地理に関する知識や航空機・JR運賃などが出題される試験というのは、世の中にたくさんある資格全体を見ても珍しいです。

試験勉強を通じて、実際に旅行へ行く際にも役立つ知識が得られた他、旅行に関する一般知識が取得できたと考えています。

国家資格を取得できた

筆者は仕事が終わった後や休日を使って勉強しました。特に海外旅行実務の科目は難しく、過去問を何度も繰り返し解き、少しずつ理解を深めていきました。

準備が必要な試験だったからこそ、合格した時には当初想定していたよりも達成感を得られました。自分の仕事では使っていませんが「4科目すべて勉強して合格することができた」という点には満足しています。

履歴書に書ける国家資格が増えた

旅行業界以外では直接評価されないこともありますが、総合旅行業務取扱管理者が法律によって定められた国家資格であることに変わりはありません。資格取得に向けて努力した証明として履歴書にも記載できます。旅行会社や観光関連企業では一定の評価を得られることが期待できます。

筆者は仕事では使っていない

私は現在、この資格を仕事で使用しておらず、過去にも使用していません。また、旅行業界に転職したいわけでもなく、旅行業関連の実務経験も全くありません。そのため、資格取得によって収入が増えたり昇進につながったりしたことはありません。

この点だけを見ると「意味がないのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかしながら、私自身は資格を取得してよかったと思っています。なぜなら、試験勉強を通じて得た知識や、資格に合格した経験そのものに価値があったと感じているからです。

試験勉強を通じて得られた、JRや航空機の運賃計算など知らないことだらけでした。航空機に持ち込めない物・免税・空港のスリーレターコードなど、普段あまり意識することのない内容に触れることができました。旅行に関する知識を学び、専門性のある国家資格を取得できたことは本当によかったと思っています。

勉強していて特に難しかったこと

私が最も苦労したのは「海外旅行実務」「国内旅行実務」の科目です。法律や約款は比較的、暗記でも対応できますが、旅行実務科目の運賃計算については特に理解が重要になります。中でも航空運賃やJR運賃は細かいルールが多く、慣れるまでかなり時間がかかりました。

観光地理に関する問題は、旅行実務科目の中ではなじみがあり、旅行好きな人なら楽しみながら学習できる分野だと思います。一方であまりに出題範囲が広いことから、満点に近いような高得点を狙おうとすると難しい分野でもあります。

国内旅行業務取扱管理者との違い

項目 国内旅行業務取扱管理者 総合旅行業務取扱管理者
国内旅行
海外旅行 ×
難易度 やや高い 高い
学習範囲 国内中心 国内+海外
合格率 比較的高め 比較的低め

旅行業界で長く働くことを考えているなら、最初から総合旅行業務取扱管理者を目指す方向性で問題ないと思います。

一方で、まずは確実に合格したいという方は国内旅行業務取扱管理者から挑戦し、合格後に総合旅行業務取扱管理者を目指す方法もあります。国内旅行業務取扱管理者に合格してから総合旅行業務取扱管理者を受験すると、一部科目の免除が受けられる場合があります。

総合旅行業務取扱管理者がおすすめな人

この資格は次のような人におすすめです。

  • 旅行会社への就職を目指している人
  • 旅行業界でキャリアアップしたい人
  • 旅行や観光が好きな人
  • 国家資格に挑戦したい人

総合旅行業務取扱管理者をおすすめしない人

一方で、次のような人にはあまり向かないかもしれません。

  • 資格手当だけを期待している人
  • 転職で広くアピールできる資格を探している人
  • 旅行や旅行業界にあまり興味がない人

資格取得後の活用イメージがなく、かつ、勉強するテーマそのものにも興味が持てない場合は、他の資格取得を検討なさった方が無難かもしれません。

結論:旅行業界や旅行そのものに興味・関心があるなら取得を目指す価値はあります

総合旅行業務取扱管理者は誰にでもおすすめできるタイプの資格ではありません。実際、私自身は仕事で活用していません。

しかし、

  • 旅行業界では重要な資格である
  • 旅行知識が身につく
  • 合格による達成感がある
  • 履歴書にも記載できる国家資格

といった大きなメリットがあります。

旅行業界で働きたい人にとっては、取得する価値は十分にある資格です。また、たとえ旅行業界に進まなかったとしても、学習を通じて得た知識や経験は無駄にならないと感じています。

総合旅行業務取扱管理者の取得を目指す際は「合格すること」も大事ですが、「取得後にどう活用するか(しないか)」まで考えておくと、目的意識をもって試験に臨むことができるでしょう。本記事がわずかでも、資格取得を検討なさっている方の参考になれば幸いです。