日本国内における男性向け電気シェーバーの製造・販売で有名な企業と言えば、フィリップス、ブラウン、パナソニックの3社です。「フィリップス」という単語でシェーバーを連想する方は多いのではないでしょうか?
ところでフィリップスとはどんな会社なんでしょうか?家電メーカー?それともひげそり専門?シェーバーのイメージが先行しがちな外資系企業フィリップスについて調べてみました!
目次
フィリップス社とは?
フィリップスはオランダに本拠を置く電子機器メーカーです。正式名称は「コーニンクレッカ・フィリップス」といいます。「コーニンクレッカ」とはオランダ王室から有力な企業に与えられる称号です。「王の」や「王立」という意味になります。英語での正式名称は「ロイヤル・フィリップス」です。
「フィリップス」の社名は、創業者である「ヘラルド・フィリップス」に由来します。ヘラルド・フィリップスはオランダのアイントホーフェンという都市で電球を生産する工場を経営していました。これがフィリップスの出発点となります。
フィリップスの現在の主要事業はヘルスケア、ライティング、コンシューマー・ライフスタイルの3分野にわかれています。日本国内で特に身近なのは、3つ目のコンシューマー・ライフスタイル関連です。電気シェーバー(かみそり)や電動歯ブラシは高い国内シェアを誇っています。ヘルスケア関連事業ではX線装置・医療画像診断機器に強く、ライティング関連事業としては照明器具の製造や販売を行っています。
フィリップスはオランダ、そしてヨーロッパを代表する電子機器メーカーの1つです。
フィリップス社の歴史
フィリップスは1891年に電球の製造・販売会社として出発しました。ロシアなどに電球を輸出するなど当時からオランダ国外に目を向けていたようです。1912年にはアムステルダム証券取引所に上場するなど、早くから勢いがありました。
1916年には創業25周年にしてオランダ王室から表彰されます。さきほどご紹介したコーニンクレッカです。このころから医療分野にも進出します。X線の技術でシェアを拡大するなど、多角化にも成功。現在のヘルスケア分野の土台は100年以上前からあったのです。
1920年代にはラジオ、1930年代にはテレビの製造も手掛けるようになります。
そして1939年、フィリップスの代名詞である回転式シェーバーが発売されます。
その後は1940年代、1950年代にはトランジスタや集積回路にも注力し、さらに存在感を強めます。1960年代にはカセットテープの製造にも乗り出しますが、その際特許の一部を無償で公開しました。このため様々なメーカーがフィリップスの規格でカセットテープを製造するようになり、事実上のカセットテープ世界標準規格となるなど一時代を築きました。
1980年代には日本のソニーと共同でコンパクトディスク(CD)を開発。1990年代には同じくソニーと共同でDVDを開発するなど、いくつもの世界標準をつくることとなります。
2000年以降はX線装置やCTスキャンといった医療・ヘルスケア部門に力を入れています。医療の現場における画像診断機器に関しては特に優れた技術をもっており、大きな存在感を示しています。
日本におけるフィリップス社
日本国内におけるフィリップスの歴史は1950年代から始まります。当時の松下電器産業(現パナソニック)との合弁企業設立を契機に、フィリップスの製品が日本国内でも流通するようになりました。
1980年代からは前述のようにソニーとの共同開発を進めるなど、日本との関連も深い企業です。
その後は、吸収・合併を経て、2005年に株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンが設立。2017年には社名を株式会社フィリップス・ジャパンに変更して現在の体制となっています。
フィリップス社まとめ
オランダに本拠を置く世界有数の電子機器メーカー
日本では電気シェーバーや電動歯ブラシでおなじみ
ルーツは電球の製造・販売
100年以上の歴史の中で多くの世界標準規格を生み出すイノベーション企業
現在は特にヘルスケア分野に注力している
【写真付き解説】シェーバーが剃れないときに試したいこと【掃除】